スポーツランドSUGOの上空には雲が多いものの青空が見え、予選の行われた土曜日より気温、路面温度ともに上がることが予想された。 午前10時15分から行われたピットウォーク中に雲が増え、一瞬ポツポツと雨粒が落ちたが、すぐに雲は薄くなり路面を濡らすことはなかった。
午後0時、決勝前のウォームアップ走行が始まった。決勝向けセットの確認やレースで使うタイヤの皮むきなどをおこなったが、ピットでタイヤを交換した際に右リアタイヤがうまくはまっておらず、ピットロードを出る前にタイヤが外れてマシンが停車。赤旗の原因となってしまった。 幸いすぐに車両は回収され、マシンのダメージチェックを済ませ、数分間だが走行してマシンの状況を確認することができた。
午後1時30分、宮城県警先導のパレードラップと、セーフティーカー先導のフォーメーションラップを経て決勝レースが始まった。 4番グリッドからスタートする4号車グッドスマイル 初音ミク AMGのスタートドライバーは片岡選手が担当する。 スタートでは4番手をキープし、前を走る0号車の後ろにつき、オーバーテイクのタイミングを伺った。 8周目、ストレートで並ぶと1コーナーで0号車を抜き去り3番手に上がった。 次に3.5秒先の7号車をターゲットにぐいぐいとギャップを詰めて、10周目の1コーナーでオーバーテイクし2番手となった。
片岡選手の勢いは止まらず、トップを走る60号車と最初は5.6秒あった差も16周目には2.2秒差まで詰め、バトルが始まるかと思われたがFCYが掲示され、一時停戦となった。2号車が他車との接触でマシンにダメージを負い、コース脇にマシンを停めたため、その回収のためのFCYだった。 マシンはすぐに回収され、18周目からレースは再開しすぐに60号車へと追いつき、23周目には0.2秒差とテールトゥノーズのバトルになっていた。 このバトルが始まり少しペースが落ちたところに、7番グリッドからポジションを上げてきていた56号車も迫り、3台でのトップ争いが始まった。
29周目、トップを走っていた60号車がピットへと向かった。この直前に6号車がコース上に止まった映像が流れたが、スピンをしていただけのようで、すぐに動き出しFCYやSCが導入されることはなかった。 片岡選手は前方がクリアになるとペースを上げ、自己ベストタイムを更新しながら後ろの56号車とのギャップを築いていった。 34周目に56号車が先にピットへ向かう。4号車は36周目を走り終えてピットイン。 谷口選手へと交代し、給油とタイヤ交換を行いピットアウト。上限100kgのサクセスウェイトの影響で給油スピードを絞られている4号車はポジションを下げ、ピット作業を終えたマシンの中では5番手となっていた。
41周目、26号車がマシントラブルでピットロードエンドにマシンを停めてしまいFCY。その直前にピットに飛び込んだ18号車が、4号車の目の前でコースへと戻った。
44周目にFCYが解除されてレースが再開すると、谷口選手はまだタイヤのウォームアップが済んでいない18号車を45周目の1コーナーでオーバーテイクする。
46周目、ホームストレートで複数台が絡むクラッシュが発生。GT500の64号車とGT300の20号車、777号車が大破し、ガードレールにも破損があったため、SC導入後すぐに赤旗となった。4号車はこのクラッシュが発生したすぐ後ろを走っていたため、谷口選手は回避を試みたものの、飛ばされてきた20号車をかわし切れずフロントバンパーが接触してしまった。 幸いこの接触ではフロントバンパーが軽く凹んだのみで、マシンのダメージはほぼない状態だった。4号車の前を走っていた31号車はこのクラッシュに巻き込まれていたようで、SC中に緊急ピットインしてポジションを下げた。一方、谷口選手がクラッシュ車両を避けている間に18号車と666号車に先行され、ポジションを下げてしまっていた。 なお、クラッシュしたマシンをドライブしていたドライバーに大きなけがはないようで、皆自力でマシンを降りていた。
マシンの回収とガードレールの修復のため中断は1時間に及び、午後4時からレースが再開された。 SC先導で隊列が動き出し、52周目からレースが再開。谷口選手は18号車を抜き4番手にポジションを上げた。 53周目、45号車がストップしたためFCYが出され、さらに54周目には61号車がタイヤトラブルでスロー走行していた。止まっていた45号車も動き出し、56周目にはFCYが解除された。 4号車は前の666号車と後ろの11号車とのバトルになったが、666号車のペースが良く、後ろの11号車からポジションを守る戦いになっていった。 レース再開後は11号車に0.3秒差まで迫られることもあったが、谷口選手はペースを上げてじりじりとギャップを作っていった。
午後4時30分、レースの最大延長時間を迎え、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGは66周を走ったところで4位のチェッカーを受けた。 このレースでシリーズ争いをしていたライバルたちが下位に沈んだため、4号車はドライバーランキングでトップの65号車と8.5ポイント差の3位、チームランキングでは2位の65号車を7.5ポイント上回りトップに立った。
