GOODSMILE RACING & TeamUKYO RACE REPORT 5
2026 AUTOBACS SUPER GT Round5 SUZUKA GT 300km RACE
会期:2026年8月22日(土)23日(日)
場所:鈴鹿サーキット(三重県)
観客:予選20,500人、決勝32,000人、合計52,500人
予選:12位
決勝:22位
獲得ポイント:0Pt
シリーズ順位:14位(24Pts)
2026 SUPER GT第5戦が、真夏の鈴鹿サーキットで開催された。
3週間前に富士スピードウェイで開催された前戦は、土曜日の公式練習で車両トラブルが発生した為に、実質練習走行無しのぶっつけ本番で予選・決勝レースに臨み、なんとかポイント圏内13位でフィニッシュするという不完全燃焼感のあるレースだった。得意の富士で上位入賞に程遠い結果となり、シリーズランキングも下げてしまった為、この鈴鹿にその悔しさをぶつけ、今度こそ上位入賞を目指してチームは酷暑の鈴鹿サーキットへと乗り込んだ。
このレースでMercedes-AMG GT3に課せられるBoP(バランス・オブ・パフォーマンス) は、基本重量1285kgにBoP重量60kgが加算され1345kgに、エンジン出力を調整するエアリストリクターは富士スピードウェイの特性に合わせて拡大されたφ35mm×2からφ34.5mm×2に戻されての出走となる。
8月22日(土)【公式練習、公式予選】
天候:晴れ
コース:ドライ
開始時31℃/37℃(9:45)
中盤31℃/37℃(10:15)
終盤33℃/42℃(10:40)
専有走行33℃/47℃(11:20)
終了後33℃/47℃(11:30)
強い日差しが照りつけ、朝から気温32℃、路面温度37℃という真夏のコンディションの中、午前9時45分に公式練習が始まった。
片岡選手が乗り込んだ4号車グッドスマイル 初音ミク AMGは、セッション開始と共にコースへ向かいチェック走行、そして計測に入った。まずは5周目に1分59秒941を記録して5番手に上がるが、ライバルたちも続々とタイムを上げていくため、目まぐるしく順位が入れ替わっていった。
タイム計測後、チームは片岡選手を無線でピットへ呼び戻した。エンジニアがドライバーとマシンバランスの評価を確認し、給油などの作業を済ませコースに戻そうとした矢先、GT500の100号車がエンジンブローを起こしてコースサイドに停止してしまった。この時、エンジンからオイルが漏れた為、車両回収とコース上のオイル処理の為に赤旗が掲示された。
午前10時17分、コース清掃が終わり走行が再開された。この中断時間の穴埋めとしてセッションは10分間延長されることとなった。
4号車は引き続き片岡選手がステアリングを握り、マシンの確認を再開した。しかし5分ほど経ったところで、今度は88号車がデグナー2でエンジンブローを起こす。88号車はバランスを崩してスピンし立体交差下で止まってしまったが、更にそれを避けようとした後続のマシンも数台コースオフし、コース脇のスポンジバリアに激突するなど、複数マシンによるアクシデントに発展してしまう。これにより2度目の赤旗が掲示された。
コーススタッフによる停止車両回収とコース復旧作業が完了すると、午前10時45分に走行が再開された。片岡選手はセッション再開後2周を走ったところでピットへと戻り、谷口選手へと交代した。谷口選手はFCYテストとGT300専有走行を担当し、専有走行枠で1分59秒544とベストタイムを更新し、クラス20番手タイムで公式練習を終えた。
午後3時30分、公式予選がスタートした。
GT300の予選Q1はチームランキングを基に2組に分けられておこなわれる。チームランキング9位の4号車グッドスマイル 初音ミク AMGは今回A組に振り分けられた。
Q1のアタックドライバーを担当する谷口選手は、セッション開始と共にコースへと向かうと、タイヤのウォームアップを済ませ、4周目にアタックを開始した。まずは1分58秒991と公式練習のタイムを大幅に更新して6番手につけるが、他車のタイムアップによりすぐに「Q2進出ギリギリの9番手まで下がってしまった。さらに10番手以下にはまだ自己ベストを更新しながらアタックしているマシンがおり、まさかQ1敗退かと思われたが、谷口選手は5周目もアタックを続けており、1分58秒909とタイムを削り7番手へと順位を戻した。谷口選手がチェッカーを受けた後もライバルたちがタイムを削った為、2台に前に行かれ9番手まで順位を落とすが、そのまま無事にQ2進出を決めた。
Q1落ちした10番手の62号車とは0.005秒の僅差で、前戦予選に引き続き僅か0.005秒差でのQ2進出となった。
その後、Q1B組、GT500のQ1を経て、午後4時23分から決勝レースのグリッドを決めるQ2が開始された。
Q2アタックドライバー片岡選手は、セッション開始と共にコースインすると、タイヤの熱入れを進めて谷口選手と同じく4周目にアタックを開始した。
すると1分58秒041とQ1から大きくタイムを伸ばし、6番手に立った。
しかし、ライバルたちのタイムの伸びが更に良く、ポジションは次々に下がっていき、12番手まで後退する。片岡選手は一つでもポジションを戻す為、5周目もアタックを続けセクター1、3では自己ベストを更新したものの、ラップタイムを更新することは出来ず12番手のまま予選を終えた。
実は午前の練習走行から予選まで、谷口選手と片岡選手は共にコーナーリング時の不安定さをエンジニアに訴えていたのだが、予選終了後のメンテナンスの際に、このレースから新品に交換していたフロントのフロアパーツの不良が発覚する。この不良により空力バランスが狙い通りに出せておらず、コーナリング時の不安定さに繋がっていた事が分かった。予選でのギリギリの結果もこの状態で出したものだった為に、予選前に発覚してくれていればと悔やまれるが、決勝レースに万全の状態で挑める事になったのは不幸中の幸いだった。
8月23日(日)【決勝】
天候:晴れ
コース:ドライ
気温/路面温度
スタート前(13:20):34℃/49℃
序盤(14:00):34℃/45℃
中盤(14:30):33℃/46℃
終盤(15:00):34℃/45℃
ゴール時(15:20):33℃/45℃
鈴鹿市は決勝日も前日と同様に朝から強い日差しに包まれ、海が近いことから湿度も上がり、例年通りの夏の鈴鹿サーキットらしい気候になっていた。午後0時、決勝レース前に行われる20分間のウォームアップ走行が始まった。
4号車グッドスマイル 初音ミク AMGには片岡選手が乗りこみウォーミングアップとマシンの最終確認を進めた。前日の予選後に発覚したエアロパーツの補修を済ませ、更に決勝レースに向けて変更したマシンセッティングの感触は良く、片岡選手は順調に周回を重ねていた。
しかしセッション終了間際、不幸なトラブルに見舞われる。
ヘアピンを抜けてスプーンに向かって加速している中、片岡選手は左フロントから激しい振動を感知する。決勝レーススタート進行中だった為、早くピットに戻って修理を済ませないとスタートに間に合わなくなる可能性がある。一方でパンクとはまた違う馴染みのない振動だった為、そのまま走行を続けた場合、マシン本体に深刻な破損が及ぶ可能性が考えられた。最終的に片岡選手は停止を判断し、スプーンカーブ内側にマシンを停めた。そこは鈴鹿サーキット内部でピットから最も離れた場所でもあった。
オフィシャルにより車両回収が行われ、4号車はピットロード入口付近まで戻された。ここから自ピットまではチームスタッフが押して戻す必要があるが、スターティンググリッドへのコースオープン時刻の直前になってしまった為、全車がピットを離れ終わるまでピットまでの移動許可を得られず、その場で待機を強いられてしまった。
午後0時38分、コースオープンとなり、参戦全車両が次々とグリッドへ向かう中、メカニックに押されマシンはピットへと戻ってきた。スタートに向けたピットレーンクローズは3分後の0時41分。決勝レースのスタートドライバーである片岡選手が即座に乗り込み、メカニックはマシンのダメージチェックを行いつつ破損したタイヤを交換、並行して給油も行った。
しかし、残念ながらそれらの作業が完了する前にピットレーン出口のシグナルが赤に変わった。これにより4号車はクラス最後尾からピットスタートという事になってしまった。
尚、このトラブルはなんらかの原因でホイールナットが緩んで走行中にホイールが揺れはじめ、ホイール内側にブレーキが干渉した為にホイール本体に穴が開いてしまったというものだった。その為、タイヤには異常が無いにも関わらず、ホイール内側から空気が抜ける形でパンクが発生するという非常に珍しいケースだ。ホイールナットの締め付けが不十分だったならこれほどの周回数を問題なく走れるはずがないので原因は他にあるが、確実な事は不明なままである。
午後1時30分、三重県警先導によるパレードラップ、そしてセーフティーカー先導のフォーメションラップを経て、決勝レースがスタート、まずGT500クラス、続いてGT300クラスがコントロールラインを超えてフル加速していく。
片岡選手はピットロードエンドでその車列を見送ると、シグナルがグリーンに変わると同時にコースへ出ていった。
1周目、片岡選手はポジションを下げていた30号車にデグナーカーブで追いつく。しかし直線が速い30号車に手こずり、そこから何度も勝負を仕掛けた末、4周目のスプーンカーブでオーバーテイク。
5周目には、シケインの飛び込みで22号車を追い抜き27番手へと上がった。
次のターゲット6号車にもすぐに1秒以内に追いついた。6号車のすぐ前には20号車、31号車も見え、4号車も加わり4台のバトルとなった。
11周目、96号車がS字コーナーでバトル中にコースオフ。グラベルからすぐに抜け出しコースへ復帰するもののダメージの為か、スロー走行となったところを前に出て26番手に浮上した。
15周目、61号車がS字コーナーで45号車に押されコースオフ、グラベルにはまり止まっているところ、パスして25番手へと上がった。
61号車はすぐに抜け出すことが出来ず、オフィシャルによる救出が行われるためにFCYが掲示され、全車80Km/hでの走行となった。
そしてこのFCYの間にピットウィンドウはオープンとなり、FCYが解除されると多くのマシンがピットロードへと雪崩れ込んできた。
4号車もここでピットインを選択したが、ここでまたトラブルに見舞われる。
このピットインが隣の65号車のピットタイミングと重なってしまった為、先に入っていた65号車を交わす為に、ピット前に斜めに停めるダイブポジションでのピットインとなってしまった。
これにより65号車はピットアウトの際に一旦車を後ろに下げる必要が出てしまったのだが、十分に下げる前に発進した65号車が、ピット作業中の4号車のリアウイングに接触してしまい、4号車の左の翼端板を破損してしまった。
更にダイブポジションだった4号車もピットアウトの為に一旦車を下げねばならず、結果として大幅にタイムロスする事になってしまった。
なんとかピット作業を終えて後半スティントを担当する谷口選手はコースへ復帰したが、このピットインでのタイムロスによって前半に抜いた22号車よりも後ろの27番手での復帰となっていた。
マシンはリアウイングの翼端板を失ったことでエアロバランスが崩れていたが、それでも谷口選手は自己ベストタイムを何度も更新するペースで周回を重ねていった。
36周目、アウトラップの48号車の追越し25番手に上がる。
38周目、87号車がマシントラブルでスロー走行したところを前に出て24番手に浮上。
レース終盤の43周目、130Rで52号車がコースオフ、高速でスポンジバリアに衝突し、反動でマシンが1回転するクラッシュが発生した。すぐにFCYが掲示され、その後セーフティーカーが導入された。ドライバーの無事が心配されるレベルの深刻なクラッシュである。
セーフティーカー先導のままレースは進行していたが、この52号車の回収とスポンジバリアの修復に多くの時間がかかってしまった為、セーフティーカー先導のまま予定周回数の48周を走り終え、レースは幕を閉じた。
4号車は23番手でゴールラインを超えたが、19番手でチェッカーを受けた26号車がセーフティーカー中の追い抜きによる40秒加算のペナルティを受ける事になった為、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGは1つポジションが上がり22位完走という結果となった。
しかしいずれにせよノーポイントレースとなってしまい、この結果を受けて、シリーズランキングは14位まで下がる事となった。
チームは、ヨコハマタイヤが得意とする暑い時期の2つレースで大量得点を狙っていたが、富士での不調に続き、この鈴鹿のレースも落とす結果となってしまった。
■チーム関係者コメント

残念なレースでした。
マシンのセットは最終的に決まっていたので、最初からエラーがなくレースができれば良いポジションに行けたのかなと思います。今回はミス以上にツイてないことが多かったんで、お祓いでもして次のレースに臨みたいと思います。
マシン自体はすごく進歩してきていると思っているので、次のレースにご期待ください。

非常に残念です。レースのペースを全体的に見ると、後半の谷口のタイムもトップ5と変わらないペースだし、レース全体でも時間帯によってはうちがファステストだったから。
それを考えると、ちゃんと噛み合っていたらすごい良い結果が出たのに…。フロントのフロアパーツのトラブルで予選を失敗し、それからレース直前のトラブルでピットスタートという流れの悪さに尽きるなと。
ピットタイミングと作業についてはしっかりと検証し反省して、残りのレースで良い結果につなげたいと思います。

今回、気合を入れて乗り込んだ鈴鹿でした。
予選は僕が今回もQ1を担当して、辛くもなんとかQ1を通れましたが。ちょっと上位と戦えるようなスピードがないなという雰囲気でした。Q2は片岡が頑張って12番手まで行ってくれたけど、やっぱり上位陣とはちょっとポテンシャルの差があるなという予選でした。しかし、車の異常な箇所を発見できました。さらに決勝に向けてセットを大幅に変更。テストはできていないけれども12番手からこれで巻き返しを……しようとしていたんですが、ウォームアップでパンクしてまた変な流れになってしまい、ピットスタートを強いられました。
そこからFCYとかSCとかなんでもいいので、レースが荒れてくれて奇跡が起きないかなと思っていたら、ピットでまた一悶着ありました。コースに出るところもまあちょっと良くないところに出て、踏んだり蹴ったりだなという内容でした。
決勝のセットは、僕的にはすごく良い感触だったので、ペース自体は速く走れて、そこだけは今回良かったかな。もしこの決勝セットというか、車が異常じゃない状態で……レースウィークの最初からこの状態で始まっていれば、3位の18号車ぐらいまでは行けたんじゃないかなという気はします。
なので、まあ今回はグダグダでしたけれども、次回SUGOに期待したいと思います。

今回は公式練習から、調子がいまいち掴めなくて。予選までやった後に、結果としてフロントスプリッター(エアロパーツ)の製品不良が見つかり、感じていた不具合もそこが起因していたのかなと思います。
そういうところで考えると、予選でのパフォーマンス不足はとても残念でした。12番手という厳しい位置から、決勝はなるべく押し上げるつもりでしたが、結果的には決勝前のウォームアップ走行中にホイールナットのゆるみのトラブルからタイヤが外れてパンクし、コース上に停止。
そのレッカー作業から決勝前の準備をしてコースインする時間がオンタイムに間に合わず、ピットスタートになってしまうという、不運とは言いませんけど、悪い流れが継続してしまい……。それでもなんとか少しでも押し上げようと思っていたんですが、またミスコミュニケーション……計算ミスからピット作業で大きく時間を落とすことにもなり、非常に週末を通して流れを掴めない、多くの反省点となるレースとなりました。
今年チーム体制も変わって、ある意味出るべくして出てしまった部分もあるのかなと思うところもあるので、これを糧に残りのレースにつなげて、同じミスが起きないようにしていきたいと思います。
富士での第4戦は、チームにとって非常に厳しい週末となりました。テクニカルトラブルにより公式練習を走れず一歩出遅れる形となりましたが、メカニッ私たちにとって非常に試練の多いレースとなりました。ウォームアップ走行中のテクニカルトラブルによりマシンの修復が必要となり、グリッドへの進入時刻に間に合わせることができませんでした。そのため、ピットレーンからのレーススタートを余儀なくされました。
ドライバーたちは前を追おうと素晴らしい走りを見せてくれました。非常に混雑していたピットレーンの中で、隣のピットのマシンと接触するアクシデントが発生し、さらにタイムロスを喫してポジションを落としてしまいました。
全体として、このレースから学ぶべき課題が多く残りました。次のSUGOではより強くなって戻ってきます。ありがとうございました。






