TKRI with GOODSMILE RACING RACE REPORT 1
2026 富士チャンピオンレース 第2戦
2026 FCR-VITA Rd.1 / KYOJO VITA Rd.1
会期:2026年5月9日(土)~10日(日)
会場:富士スピードウェイ
観客動員:9,400人
エントリー台数:FCR VITA35台、KYOJO VITAクラス15台
2024年に3年計画で始動した「初音ミク レーシング プロジェクト / TKRI with GOODSMILE RACING」は、オーディションで選ばれた新人ドライバー岡本悠希選手と共に小型レーシングカー「VITA」のワンメイクレース、KYOJO CUPへ参戦を開始し、今年が早くも最終シーズンとなった。
プロジェクト2年目の2025年は、KYOJO CUPのレース車両がフォーミュラカーに移行したことから、岡本選手はFCR-VITA内に新たに作られたKYOJO VITAクラスに参戦した。2シーズン目の岡本選手は練習の成果から中団で争えるようになっていた。また、同年はKTMSから出場し既に上位争いをしていた富下李央菜選手も初音ミクレーシングプロジェクトに加わり、2台体制での参戦となった。その富下選手は見事にシリーズチャンピオンを獲得した。
そしてプロジェクトの締めくくりとなる3年目。富下選手はフォーミュラカーで争われるKYOJO CUPに専念する事になり、再び岡本選手1台体制となった。
5月9日(土)FCR-VITA
天候:晴れ
コース:ドライ
岡本選手とチームはレースウィークの木曜日からサーキットに入ると、走行可能な時間すべてに参加して、レースに向けた調整をギリギリまで行った。
土曜日午前8時、20分間のFCR-VITA予選がスタートした。FCR-VITAは男女ドライバー混走で35台がエントリーしているが、この朝はマシントラブルにより2台が出走できず、合計33台のマシンがアタックをしていた。
岡本選手はまず3周目に2分00秒757で8番手に立つが、ライバル達が次々とタイムアップをした為、20番手までポジションを後退してしまった。7周目には2分00秒297と約0.5秒のタイムアップをし18番手へポジションを戻す。9周目に24号車が2分00秒292と5/1000秒上回ってきた為に19番手となったが、チェッカーラップの10周目に2分00秒206を記録し18番手へと戻して予選を終了した。
その後、複数回の走路外走行によりグリッド降格となった車両がいた為に、決勝レースは16番グリッドからスタートすることとなった。
午前10時30分、決勝レースが始まった。レースは10周もしくは25分間で争われる。
1周のフォーメーションラップを経て、全車グリッドへ着くと、レッドシグナル消灯を合図に全車が一斉に1コーナーに向かって発進した。
岡本選手は、目の前14番グリッドの610号車がスタートに出遅れたところをすかさずかわし、いきなり15番手に浮上して1コーナーに飛び込んだ。
その後セクター3のダンロップコーナーで19番グリッドからポジションを上げてきた39号車に一旦抜かれて16番手にポジションを落とすが、そのまま39号車に食らいついてバトルに突入する。続く13コーナーで39号車のインを刺して抜き返すと、その次のGR GTコーナーで再び抜き返される。ストレートでは背後にピタリとつけてスリップを使い前に出るが、その先の1コーナーで39号車と、さらに後ろから来た24号車にもオーバーテイクをされてしまい17番手へと後退。コカ・コーラコーナーの侵入では横に並ぶも前に出ることは出来なかったが、100Rを抜けヘアピンコーナーで39号車が外側に膨らんだところを見逃さずインから追い抜き16番手に戻った。
最終コーナーからは24号車の背後に付き、1コーナーでオーバーテイクを決め15番手にポジションアップ。バトルをしている間に前を走る213号車とは2.3秒のギャップが出来てしまっていたが、ギャップを詰め始めた。
5周目には77号車のスピンで1つポジションを上げ14番手に上がった。
しかし、8周目の最終コーナーで39号車にまたもや追い越されてしまい15番手へと戻った。ここから39号車はさらにペースを上げて前のマシンを追い抜き、ポジションを上げていった。
その後は前とのギャップは大きく、追いつくことが出来ないまま10周目に15位のチェッカーを受けた。
前半は周囲のペースと変わらずレースが出来ていたが、後半タイヤの性能が落ち始めてから自分の走りを合わせこむことが出来ず、ポジションを落としてしまうという課題の残るレースとなった。
5月10日(日)
天候:晴れ
コース:ドライ
午前8時、20分間のKYOJO VITAの予選が始まった。
今シーズンのKYOJO VITAには15名がエントリーしていた。岡本選手は前日のFCR VITAの予選でスリップをうまく使えなかった事が課題だったが、この予選でその課題を克服することを意識しながらセッション開始と共にコースへと向かう。これが功を奏したか、うまくライバルのスリップに入ってスピードを伸ばしたところで4周目にアタック、1分59秒397と自己ベストを上回るタイムを記録して3番手につけた。その後も1分59秒台を連発したがベスト更新はならず、残りおよそ30秒となったところで、停止車両が発生したために赤旗が掲示され、セッションはこのまま終了となった。
岡本選手の予選結果は3位。これまでの2シーズンでは総合でシングルグリッドを獲得した事は一度無かったが、このレースでいきなり2列目3番グリッドを獲得した。
午後12時30分、決勝のスタートグリッドに向けて岡本選手はピットを離れて3番グリッドに向かった。今大会も多くの個人スポンサーがサーキットに応援に駆けつけており、岡本選手のグリッドは他のどのマシンよりも多くの人に囲まれていた。
前には2台のマシンのみ、今までは遠くにあったシグナルも目の前に大きく見えた。
午後12時45分、1周のフォーメーションラップののち、15台のマシンがグリッドに着くと、グリーンフラッグが振られ、10周もしくは25分間のレースが始まった。
スタ-トが得意だと言う岡本選手、確かにスタートはうまくいったものの、直後の1コーナー進入でシフトミスにより失速、4番グリッドスタートの211号車と5番グリッドの118号車にあっさり先行を許し5番手へと後退してしまった。
しかしその後レースは波乱の展開を見せる。岡本選手をかわした2台はコカ・コーラコーナーから続く100Rまでサイドバイサイドの激しいバトルを繰り広げ、100R途中で接触、118号車がスピンしてしまった。岡本選手は冷静にこれを回避し、4番手へと順位を戻した。
4周目、トップ争いを繰り広げていた31号車と714号車の2台が1コーナーで接触し、ともにスピンをして止まってしまった。岡本選手はこの2台の横も駆け抜け一気に2番手まで浮上する。
さらに、1周目100Rでの接触行為に対してトップを走る211号車にドライブスルーペナルティの裁定が下った。
6周目、ペナルティ消化により211号車がピットへ向かうと、岡本選手の前を走るマシンはいよいよ1台もいなくなり、このプロジェクトが始まって以来初めて、岡本選手がトップを走る事になった。この姿をピットモニターで見守っていたチームメンバー達は驚きと歓喜の声を上げた。
7周目、トップを走行する岡本選手がこのまま優勝かと一瞬沸き立ったが、4周目のスピンでポジションを落としていた31号車が後方から猛烈に急接近していた。31号車はみるみるうちに岡本選手の背後に迫ると8周目のストレートエンドで岡本選手をあっさり抜きさって行った。 これで岡本選手は2位。
さらに32号車も岡本選手へと迫ってきていたが、幸い残り周回が少なくなっていた為、2番手をキープしたままチェッカーを受けることができた。
初音ミクレーシングプロジェクトは3年目にして遂に表彰台を獲得した。片岡監督、安藝代表、荒井アンバサダーの他、チームスタッフや多くの個人スポンサーが表彰台下に集まり岡本選手の2位獲得を祝福した。仲間と多くのファンに見守られる中、岡本選手は喜びを爆発させ表彰台に登った。
今回2位という好成績でレースを終える事ができたのは、この2年の岡本選手の成長の成果という面はもちろんあるが、上位選手がトラブルで脱落したからという運が味方した結果でもあった。予選タイム、レースペース共、上位の実力者とはいまだに大きな差があり、今後のレースで実力を優勝を掴み取るには、この力の差を埋める為の更なる努力が必要な事を突きつけられたレースでもあった。

予選で自己ベストの3番手を獲得し、決勝に向けて非常に良い流れを作ってくれました。
決勝レースでは、上位陣のアクシデントが重なり一時はトップに立つ場面もありましたが、初めてトップを走るプレッシャーからか、本人も少し硬くなってしまったようです。現状のペースでは、後続の速い選手からポジションを守り切るのは難しかったですが、波乱の展開の中でしっかりと2位表彰台という結果を残してくれたことはとてもよかったと思います。
ただ、トップの選手とは予選・決勝ともにラップタイムで約1秒の差があり、9月の次戦までにこの「1秒」をいかにして縮めるかを課題とし、練習を重ねていってほしいと思います。

今回の開幕戦は、予選で自己ベストとなる3番手を獲得することができました。決勝のスタート直後にシフトミスがあり順位を落としましたが、前方の状況を見極めて走った結果、一時はトップに立つことができました。しかし、いざトップに立つとこれまでにない緊張を感じてしまい、本来の走りができず、あっという間に抜かれてしまったことは大きな反省点です。
それでも2位表彰台という結果をチームやファンの皆さんと喜べたことはとてもよかったです。
9月の次戦に向けては上位の選手との「1秒」の差を克服し、次こそは自分の実力でトップを走りきって優勝できるよう、さらに練習に励みたいと思います。




