TKRI with GOODSMILE RACING RACE REPORT 1
2026富士チャンピオンレース 第4戦
2026 FCR-VITA Rd2 / KYOJO VITA Rd.2 レースレポート
会期:2026年9月5日(土)~6日(日)
会場:富士スピードウェイ
エントリー台数:FCR VITA32台、KYOJO VITAクラス14台
9月5日6日の週末、5月以来4ヶ月ぶりのFCR-VITA / KYOJO VITAが富士スピードウェイで開催された。
「初音ミク レーシング プロジェクト / TKRI with GOODSMILE RACING」のドライバーである岡本悠希選手は、5月のレースを2位でゴールしてプロジェクトとして初の表彰台を獲得する成果を上げたが、それに慢心する事なく練習走行やカートトレーニングを重ねて今大会に備えてきた。その努力が実り、今やドライコンディションではFCR-VITAの上位選手について行ける実力を身に付けていた。
しかしレースウィークの天気は雨、予報によると時間帯によって大雨も予想されていた。岡本選手はウェットコンディションに苦手意識がある為、折角の実力向上もこれでは十分に発揮できなくなってしまう。チームは木曜にサーキットに入ると、ウェットコンディションでの練習走行を積極的に行って、岡本選手の最終調整を進めた。
9月5日(土) FCR-VITA
天候:曇り、雨
コース:ウェット
午前7時50分、20分間の予選が始まると、エントリーする32台のVITAが一斉にコースに飛び出して行った。その時点で雨は降っていなかったものの、前夜の雨で路面はフルウェット状態だった為、コースのいたるところでスピンやオーバーシュートするマシンが発生した。
そんな中、4号車岡本選手は慎重にタイヤのウォームアップを行いアタックに備えた。まずは3周目、2分21秒037を記録して11番手につけた。
時間とともに路面が乾き始めると各車が続々とタイムを更新する。予選開始10分経過した頃には、上位4台が2分14秒~15秒台を記録して先頭集団を形成し、2分18秒台に固まる5位以下の集団を大きく引き離した。
岡本選手も2分18秒757までタイムを上げるが順位は19番手にとどまっていた。さらにアタックを続けると、ようやく18秒の壁を抜けて2分17秒121までタイムを削る事ができた。しかしその頃には中盤勢のライバルたちもタイムを更新していたため、順位は17番手と大きくは動いていなかった。
予選残り時間40秒、岡本選手はコントロールラインを通過して最後のアタックに入った。最終アタックは自己ベストとなる2分16秒657だったが、ライバル勢のタイムアップもあった為、順位は変わらず17番手のまま予選を終えた。
午前9時50分、決勝レースに向けて32台のマシンがピットを離れグリッドに整列してグリッドウォークがはじまった。17番グリッドの4号車グッドスマイル 初音ミク VITAのグリッドには、今回も多くの個人スポンサーが駆けつけてマシンを囲んでいた。
コースコンディションは、レコードラインが乾き始めているものの、それ以外は濡れたままのダンプコンディション。17番手グリッドはアウト側でレコードラインと重なる場所な為、この状況では有利な位置だ。
午前10時10分、フォーメーションラップを経て、レッドシグナルが消えると10周のレースが始まった。
岡本選手のスタートは決して悪くなかったが、1コーナーにアウト側から飛び込んだところで、1つ後ろの18番グリッドからスタートした32号車保井選手にインに入られ先行されてしまう。しかし岡本選手は抜き去られる事なく32号車に食らいついてマシンを進め、コカ・コーラコーナーのブレーキングで抜き返し、17番手にポジションを戻して100Rに入っていった。
続くヘアピンコーナーでは、2番グリッドからスタートした714号車金本選手が後ろのマシンとの接触でスピンしてコースの中央に停止していた。岡本選手はこれをイン側からロスなくかわすと、この停止車両をアウト側に避けてペースを落としたマシン群もパスし、ダンロップコーナーを抜けるころには12番手になっていた。
2周目、633号車KENNY LEE選手が1コーナーのブレーキングで姿勢を乱したところを交わして11番手に上がった。
ここまで順調にポジションを上げた岡本選手だったが、路面のドライアップが進んで上位車両のペースが2分1~2秒台に入っていく中でコンディション変化への対応に苦戦して2分3秒台止まり、ここからはディフェンスに徹する事になる。
4周目の1コーナーで61号車木村選手にオーバーテイクを許し、6周目の1コーナーでは81号車イシカワ選手にも前に出られて13番手まで後退してしまった。
さらに、2番グリッドスタートからオープニングラップのスピンでポジションを下げていた714号車金本選手にも追いつかれるとテールトゥノーズのバトルに。
8周目の1コーナーで金本選手がアウト側から横に並ぶが、イン側を抑えてなんとかポジションをキープできた。
マシンを進めアドバンヘアピンコーナーに差し掛かると、トップを走っていた333号車上田選手がバトル中のスピンでコースアウトしていた為、岡本選手は12番手に浮上。
9周目、1コーナーのブレーキングで714号車金本選手が再び仕掛けてきて一瞬前に出られてしまうが、金本選手はマシンを止めきれずそのままアウトに膨らんでいき、岡本選手はこれを冷静に抜き返して12番手をキープした。
その後も岡本選手は金本選手からの猛追を受け続け、更に後ろの213号車Kyle Wynne選手にも追いつかれてファイナルラップを迎えるが、猛烈なプレッシャーを最後までしのぎ切り、後続と0.077秒差とテールトゥノーズのまま12位でチェッカーを受けた。
9月6日(日) KYOJO VITA
天候:雨
コース:ウェット
日曜の富士スピードウェイ周辺は厚い雲に覆われており、朝から散発的に小雨が降る雨模様となっていた。
午前7時50分、20分間のKYOJO VITA予選が始まった。予選が始まる直前から降り始めた雨により路面コンディションは水たまりができるほどではないものの、滑りやすい難しいコンディションとなっていた。
4周目、トップの714号車金本選手と2番手31号車永井選手の2人が2分16秒台と飛びぬけたタイムを記録していたが、その時点では岡本選手は2分17秒909で3番手につけていた。
しかし時間とともに雨は強くなり、スピンやコースアウトするマシンが続出する。
岡本選手はスピンに最大限の注意を払いながらタイムアップを狙っていたが、100Rで姿勢を乱しコースオフ、さらにダンロップコーナーでもスピンをしてしまった。幸いクラッシュに至らずコースへ復帰できたが、残り時間でタイムアップは実現できなかった。
最終的な岡本選手の予選結果は、610号車RINA ITO選手と66号車LOKE YIN YI選手に抜かれて5番手となった。
天気予報では、午後に向かって雨量が増えるとされていた。しかしこの日はKYOJO VITAだけでなく多くのレースが予定されていた為、運営はピットウォークをキャンセルして、全てのレーススケジュールを55分前倒す事を決定した。
11時35分、KYOJO VITA決勝レースに向けて全車がグリッドに整列する。
予報通り予選時よりも雨は強まっており、既に大雨と言える雨量になっていた。路面もヘビーウェットコンディションだった為、10周の決勝レースはセーフティーカースタートとなった。
午前11時50分、SC先導で隊列が動き出しKYOJO VITAの決勝レースが始まった。雨量は変らず多い中、各車はなんとかしてタイヤを温める為にウィービングを繰り返していた。セーフティーカーは3周を走ったところでピットレーンへと戻り、4周目からようやくレースがスタートされた。
5番手からスタートした岡本選手は、前走車の水しぶきでほぼ何も見えない過酷な状況の中で5番手のまま1コーナーへと侵入していった。その後もポジションを維持しながらマシンを進めていくが、苦手の雨でペースが上げられず、前をいく4台に徐々に引き離されて行き、前日のFCR-VITAに続いてディフェンスレース模様に。
5周目、32号車保井選手にGR GTコーナーで外側からオーバーテイクされてしまい6番手へ後退。
しかし6周目、同じGR GTコーナーで32号車保井選手がスピン。岡本選手はこれをかわして5番手へと戻った。
ここからは、岡本選手の背後に35号車清水選手と17号車箱入り娘*Mayu選手が迫り5番手争いが激しくなっていた。1コーナーでは清水選手にノーズを並べられるシーンもあったが、冷静なライン取りでポジションを守り続けた。
岡本選手はスピンに最大の注意を払いながらそれでも後続車にポジションを奪われることなく周回を重ねると、レース最大時間の25分を迎え、9周目にスタートポジションの5位をキープしてチェッカーを受けた。
目標としていた表彰台には届かなかったが、苦手のウェットレースでスピンすることなくポジションを守りきり、練習の成果を見せる事ができた。また、この結果によりシリーズランキングも2位をキープした。
KYOJO VITAは、11月1日に行われる第3戦が最終戦となる。3年間のプロジェクトの集大成として最高の走りをみせるべく、岡本選手は引き続きサーキット走行とカートトレーニングを重ね、万全の準備で最終戦へと挑む。

今週は雨が降ったり止んだりと、さまざまな路面状況での走行になりました。やはり雨には苦手意識があり、どうしても『ビビリミッター』が発動してしまっていました。それでも、以前よりは攻められるようになり、セッションを重ねるごとにトップとのタイム差を縮めることができていました。予選では終盤まで3番手につけていたのですが、ラストラップのアタックを失敗してしまい、5番手で終わってしまったのが悔やまれます。
決勝は今週末で一番のヘビーウェットコンディションでした。走る前からかなり不安でしたが、前の車が巻き上げる水しぶきで視界が真っ白になり、周囲に車がいるのか、自分が今コースのどこを走っているのかすら全く分からない状態でした。そんな状況で踏めるはずのところでアクセルが踏めず、ペースを上げられないまま5位でチェッカーとなり、何もできなかったことがとても悔しいです。
この日、同じ雨の中で行われたインタープロトのレースでは、プロドライバーたちが視界不良の中でも隙間に入り込み、コントロールを失うことなく自由自在に走っていて、その凄さを身に染みて感じました。同時に、自分がどれだけ路面やタイヤと会話できていないかを痛感させられました。
シリーズランキング2位をギリギリで守った『耐えのレース』になりました。それでも、悪天候の中でサーキットで応援してくださった皆様から、本当に大きな勇気をもらいました。たくさんの応援、本当にありがとうございます! プロの走りに少しでも近づけるよう次戦までの練習に取り組みます。最終戦は勝って、皆様の期待に応える走りで最高の笑顔で終わりたいです。




