13:48、決勝スタートに向けてグリッドの出口が解放されると同時に4号車グッドスマイル 初音ミク AMGはピットを離れ9番グリッドへ向かった。だがすぐに片岡選手から、マシンに異常を感じるとの無線が入る。河野チーフエンジニアは片岡選手に症状を聞きながらピットへ戻すかそのままグリッドへ向かわせるべきかを協議し、スタートまでに解決できると判断して慎重にグリッドへマシンを運ぶよう片岡選手に伝えた。
マシン到着と同時に待ち構えていたメカニックが作業を開始、無事に修理を終えスタートさせることが出来た。
2周のフォーメーションラップを経てレースがスタートすると、直後に前の88号車に並び、1コーナーでそのままオーバーテイク。翌周には52号車も抜いて7番手へと順位を上げる。
5周を終えたところでピットへ向かい、スプラッシュと呼ばれる短時間の給油を行った。今大会では2回の給油が義務となっており、そのうち1回を序盤で消化してライバルが少ない場所で走行してペースを上げる作戦だ。
同じ作戦を取った52号車がすぐ後ろにいたが、相手のミスもあってギャップを広げポジションをキープしたまま周回を重ねることができた。20周目を過ぎたぐらいから他チームがピットに入りだすと、狙い通りにポジションが上がっていく。
しかし28周目、自己ベストを連発し迫ってきていた52号車にスープラコーナーで前に出られてしまう。さらに33周目には10号車にも抜かれポジションを下げる。
35周を終えたところで片岡選手はピットに向かい、給油とタイヤ4本交換のフルサービスを受けてドライバー交代。レースはまだ1/3が終わったところで残り周回を谷口選手へと託す。
38周目にアドバンコーナーの手前で22号車が単独スピンからタイヤバリアに激突する大クラッシュとなり、FCYが掲示。その後セーフティーカーが導入され、46周目にはコース設備修理の為、赤旗が掲示されレースが中断される。
16:25にレースが再開されると51周目に自己ベスト更新となる1’37.652を出し、前にいた30号車をオーバーテイク。さらに2.9秒前にいた5号車を追いかける。
しかし、54周目にストレート上でGT500車両がスロー走行していたGT300車両を回避しそこねて最高速度のままガードレールに激突する大クラッシュが発生、即座に2度目の赤旗が掲示される
ガードレール補修を済ませ、レースは18:10に再開されるが、セーフティカーの先導のままレース最大延長時間の18:20を迎え56周でレース終了となった。4号車は16位でチェッカーを受けた。
レースは2回の中断があり、競技規則では、2周以上、規定周回の75%以下の場合、レースは成立するがポイントは半分付与という事だけが決められている。しかし今回、同時に給油回数義務も無効となる事が特別な判断として決定された。これによりピットを1回しか済ませていなかったチームが上位を占め、戦略上2回のピット作業を終えていた4号車グッドスマイル 初音ミク AMGには厳しいレース展開となった。
